神頼み

週末の新聞にはたくさんの折込広告が入る。

近所のマーケットの広告、進学塾の広告

そして求人広告。

 

印籠と呼んでいる就職活動は『しない』と言いつつも

広告を横目で見てしまう自分が居る。

始めたかったら仕事再開してみたら? と言ってくれる

主人は実のところ私が仕事をすることについて

あまり興味がないと言うことは分かっている。

だから余計に外に出たくない、と思ってしまう。        

 

この前の主人のケイタイに入ってきたLINEの件については

まだ問えずにいるまま。

あと1回、何か決定的な状況に出くわしたら

聞いてみようと決めている。

 

ずっと家に居るとすることがだんだん限られてくるので

以前は近くのスクールで絵手紙を習ったり

小学校の時の経験を生かして習字をやったりしていたが

さすがに3年ともなると、仲間がどんどん変わっていく。

もちろん、出産やお孫さんの誕生で生活が変わるため

やむを得ず止めていく仲間も居た。

新しい命の誕生はモチロン喜ぶべきニュースだけど

なかなかその報告ができない私にとっては

ちょっと皮肉にも聞こえてしまう。

ただの『ひがみ』と言われればそれまでだけど。

 

そんなわけで、久しぶりに今日は一日ネットサーフィンで

遊ぶことにした。

サプリメントの注文のため、サイトを覗くと

見たことのないバナーがたくさん並んでいた。

美容についての話題が好きな私はいつの間にか

バナーに誘われてあちこちのサイトに飛び歩いていた。

 

ふと見ると、『願いごとをかなえる護符』と言うフレーズに

目が止まった。

護符と言う言葉自体知らなかった私は

引き込まれるようにサイトの文字を読んでいた。

 

これからの人生、もしかして主人に私のほかに誰か

素敵な人が居るということが現実ならば

この先どうやって生きていくべきなのか、を

考えただけでも気が狂いそうになる。

束縛するつもりは毛頭ないけれど、やっぱり

ものすごいショックを受けるだろう。

 

そんなふうに思うのならば、思い切って聞くべきだと

分かってはいるものの、やっぱり怖い。

 

独りで思いっきり想像力を豊かにして

独りで怖がっているわたし。

そんなときに見た救世主のような『願いごとをかなえる護符』

の存在に望みを託してみようと考え始めた。

 

読むと、ちょっと怖いような感じだけれど

真面目に念を込めて願えば十分な効き目があるらしいので

だめ元でやってみようかと決心した。

 

ヘンに宗教に頼って高額なお布施を支払うよりも

よっぽど役に立ちそうに思う。

 

『願いごとをかなえる護符』はこのサイトから

 

これ味方につけて主人に問うことにしようと心に決めた。

はじまりの予感

早いもので結婚して今年の春でもう3年目を迎える。

結婚当初も今も家族は増えることはなく、

ずーっと主人とふたりの生活。

同じ時期に結婚したお友達はみなそれぞれに家族が増え

今年の年賀状は特に

『産まれた』『歩いた』のオンパレードだった。

初めの年はかわいいなぁ、私もいつかママになるんだろうなぁ

と想像しながら眺めていたけれど、今年はなぜか

素直にそう思えないほどの空虚感たっぷりの

感情しか湧いてこなかったのはなぜだろう・・・

主人とは会社の合コンで知り合った。

趣味がアウトドアと登山と言うところが私と同じで

コンパ当日に二人でめちゃくちゃ盛りあっがって

自然と付き合いに移行していった。

約2年ほどの付き合いの中であちこちの山に登りに行ったり

キャンプを楽しんだ。

 

ロマンチストの彼はホタルの飛ぶ川のほとりで

プロポーズしてくれた。

後から聞いた話だけど、段取りを完璧にしたシチュエーションで

告白したかったらしい。

お互い大好きな自然に囲まれて輝かしい将来の夢で頭の中を

いっぱいにしていた。

 

あの頃は『この後、結婚して子供が出来たらしばらく行けなくなる』

『今のうちに2人の時間を思いっきり楽しもう』

と言う誰もが考える当然の家族と言うものが前提にあった。

 

あれから3年。

家族が増えることなく、毎日が過ぎている。

 

私はと言えば当初の計画がずっとペンディング状態になっているので

新しくお仕事を始める気にもならず、最近はじめた諦めの

ガーデニングをしたり本を読んだりPCで遊んだりして

一日を過ごすのが中心。

私の中ではお仕事を始めてしまうと

『もう子供は要りません』と言う諦めの代名詞のような気がして

許せない部分があった。

強行で始めてしまうと、いきなり出来たらどうしようとか

先のことばかり考えてしまう私の悪い癖。

周りは『考えすぎだよ!』と言ってくれるけど。

 

ある日、いつものようにLINEの通知音がした。

誰からかな?と思ってチェックしたら、どうやら私ではなく

主人のほうだった。

 

普段お互いのケイタイ使用については干渉しないけれど

彼はちょうど風呂に入っていたので何気なく画面を見ると

いかにも女の子らしい名前のメッセージが冒頭だけ見えた。

 

一体誰だろう・・・さすが

私の知らない間に仲良しの女の子が出来た?!

私たちに子供が居ないからかな?

 

一瞬のうちに沢山の想像が頭の中を駆け巡った。

この後、彼が出てきたら何事もなかったかのように

平然と話しができるだろうか。

私は心の中でただひたすら 落ち着け、落ち着け・・・と

念仏のように念じていた。